力道山 (2004)

文字数 762文字

【僕らの英雄力道山】 2004/2/6



僕にとって力道山は、近所の家の隅っこでテレビを見させてもらったときの
イメージに他ならない。
《三丁目の夕日》にもあったシーンだ。
余談だがこのシーンから連想するのは貧しさと卑屈な思い出だけだけど。

その時子供心にも、力道山は強いけど胡散臭かった。
彼が朝鮮人だった事はその後ずっと経ってから知った記憶がある。
TV画面を観させてもらいながら、力道山が外人(アメリカ人)に勝つのに
あれほど大人達が興奮しているのが不思議であったし、
自分も同じ反応していたのも今考えれば不思議だ。

本作品は僕が長年腑に落ちなかったこと、
何で朝鮮の人が日本を代表するヒーローを演じたのか、また演じられたのか?
プロレスはショウだといいながらも、あんなに興奮させられた理由は何だったのか?
そして力道山があっけなく死んだその真相は?
の解明の素材を見るようだった。

当然ながらドキュメント作品ではないので、
事実がどこにあるかは決して解明してはくれない。
でもあの時代に(僕がが小学校3年ごろ)隠されていた状況が汲み取れたような気がする。

そして唐突だけど、日本はアジア諸国との関係をどこかで精算しないと
今にとんでもない事になりそうな不安を感じてしまった。

韓国俳優ソル・ギョングが日本語で苦労している。
上手くなくてもいいのかもしれないが(そういえば力道山の喋りは記憶にない)、
外国語で演技する限界が垣間見えた。
特に重要な絡み役の藤竜也との2ショットでは観ていてつらい、
ハンディを出してあげたい。
力道山役は日本人俳優でもよかったのでは??
しかしギョングさんの名誉の為にいっておくが、プロレスシーンの再現は完璧だ。
僕を一気に四十数年前に戻してくれた。「このシーン見たことある・・!」ってね。

総括すると、日韓共同作品としての価値の高いシネマだ。



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