家族はつらいよ (2016)

文字数 697文字

【ホントに山田作品ですか?】 2016/3/13



誰しもが気になるところが、キャスティングでしょう。
久しぶりの山田コメディと大見えを切ったそのキャストは
シリアス家族物語を引き継いでいるものだから、「へーっ?」ってなる。
「東京家族(2012)」は小津監督作品の山田流リメイクだったと受け取っているが、
そのシネマのキャストがそっくり今作で復活している。

余計な事を観る前から考えてしまう;
今作は、東京家族のパロディなのか?
今作は、東京家族の身内同窓会なのか?
今作は、東京家族を昇華させたコメディなのか?

そういえば、「○○はつらいよ」も寅さんからの借りものだ。
ますます、パロディっぽく思えてきた。
観る前からこんなに興奮するのは、さすが巨匠作品に違いない。

しかし、本シネマは哀しいほど予告編シネマだった。
それも、稀な笑いを先取り予告しているので、
本編でもう一度笑うこともできず白けてしまうことになる。

言葉を変えて辛口に申し上げれば、笑いの設定レベルがとても低かった。
唯一、関西の落語家のシーンには劇場がどっと盛り上がった、
ホントに唯一だったが。
もしかして、規律正しい脚本をかいくぐっての彼のアドリブだったのか、乱調の笑いだった。

一方では、「東京家族」、「東京物語」が生素材で登場していた。
それぞれポスター、DVDの形をした小道具だったが、あまりにストレートで
笑いも涙も出てこなかった。
結局、最初の懸念に戻ってしまう;
パロディなのか?
楽屋落ち同窓会なのか?
それとも僕には及び知れない高度なコメディなのか?

東京家族に笑いを求めた僕が悪かった。
そう言えば、この家族は横浜に住んでいるから、東京家族ですらなかった。

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