探偵はBARにいる (2011)

文字数 743文字

【新感覚探偵物語 次回待ち遠しい】 2011/9/11



いま、「サウダージ」を傾けながら感想をまとめている。
昔からの東直己ファン、便利屋探偵ファンとして今回の映像化には興奮しっぱなしだった。
心優しき東氏は近著を通して「シネマ」と「原作」の隔たりをクールに説いて
そんな僕を沈静化してくれた。
いえいえ、原作ファンの陥りやすい初歩的錯覚なら知っています、
一方で僕はディープなシネマファンとして良識も持ち合わせておりますから。

結論: 
かってなかった新感覚探偵シネマになっていた、ほんとにホッとした。
これをしてネオジャポネーゼというのか、
ハーフボイルドと分類するのか不明だけど「新しさ」はビシッと伝わる。
あえて分類すれば「札幌シネマ」なのかな。
間違いないところは、東ワールドが基盤としている「北海道」、
「札幌」をいくぶんポップとはいえ終始一貫して愛おしく発信していた。

肝心の主人公(口が減らない探偵)が心に秘める「生き様」の矜持もくっきりと際立っていた。
細部について文句を言うのは原作ファンとしてひいきの引き倒しになってしまう
・・・という落とし穴があるが、
この論点は大泉洋さんの起用でしょっぱなから完璧にクリアーされた。
原作イメージのかけらも引きずっていない大泉洋さんがいい、
松田龍平さんの高田も想定外のとぼけっぷりが気に入った。

ストーリはシリーズでベスト(と僕は評価している)のプロットだけに
大筋に手を加える必要もなかった。
何度も原作を読み返したファンとして不安と期待で胸いっぱいだったけど、
映像化されたミステリーとしては十二分にその鮮度を保っていた、
久々にシネマの醍醐味を満喫した。

驚きのカット、洒落たシーンが次々と大スクリーンに写される。
撮影スタッフにも乾杯だった。

次回作を楽しみにしている。



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