ラスト・ナイツ (2015)

文字数 537文字

【こんな「忠臣蔵」もいいかな】 2015/11/15



僕の子供時代、映画会社各社が競って「忠臣蔵」を豪華オールスターキャストで製作していたものだ。。東映、大映、松竹、東宝・・・それぞれのお抱えスターが主要キャストを受け持つのだが、その妙も毎回のお楽しみだった。
12月には「忠臣蔵」を見てからお正月を迎えるという日本人らしいパターンが今となっては懐かしい。

これほどまで「忠臣蔵」が愛されたのは、主君への忠誠心に代表される武士の生き方がよほど日本人の精神風土にあっていたからだろう。
近年「忠臣蔵」が企画されることがないのは、だから日本古来の規範が今変質している証なのかもしれない。

そんななか、日本人監督で「忠臣蔵」が西洋チャンバラの形でよみがえった。
無論、物語の骨子も本家忠臣蔵から大きく外れてはいない。
むしろ海外移植した分だけ、その精神性がピュアになっていた。
いわゆる、外国人が想像するサムライスピリットであり、同様に不可解なジャパネスクに満ち溢れていた。

忠臣蔵を顧みない今の日本人にとっては、本シネマはその意味で衝撃かもしれない。
日本人がグローバリゼーションに溺れる中、世界は日本人スピリットに魅了される。

雪の荒野に馬を駆って忠義を果たす騎士たちに、ちょっと嫉妬してしまった。
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