ジヌよさらば ~かむろば村へ~ (2015)

文字数 534文字

【笑の先の「冷やかな現実」】 2015/4/5



『なにも売らない、なにも買わない、ただ生きていくだけ』…と言う主人公は立派なバカなんかじゃない。
自分の魂を売って「ジヌ」を手に入れて、煽られるように手に入るものを買うような生活こそ変だ。売ったり買ったりで忙しくて、「自分が本当に生きているのか?」すら自覚しないまま、生きているつもりになってはいないだろうか?

「自分を捨て去ってしまえば、楽に生きることができる」という究極の悟りに至ることは神の領域だろうが、ジヌをちょっとだけ無視することはできるかもしれない。
そんな想いに近頃追い込まれているからだろうか、本シネマには共感するところが多かった。

シネマのコンテンツは、思いっきり直截的で下品なことから、今述べた哲学的な人生観を素直に理解するのは多少困難かもしれない。
だけど、盛りだくさんの毒ある皮肉を乗り越えると、もしかして今と違う人生が見えてくるのかもしれない。
愛情、友情、信頼、尊敬・・・はジヌでは買えないのだから。

そうはいっても、銃口を突き付けられて不本意な道を選ぶしかないこともある。
そんな時は、やっぱり「神」頼みしかないだろうな。
そうならないためにも、いまからジヌに振り回されないように気をつけよう。
*注 ジヌ=お金
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み