追憶 (2017)

文字数 482文字

【《償い》 主演 小栗旬】 2017/5/7



予告編の印象では デニス・ルヘインの「ミスティック・リバー」の情感が漂っていたが、
主演岡田さんの興奮具合が高そうで気になっていた。

本編でも岡田刑事の精神年齢は未成熟な危うさを見せていた、
これは意図したものに思えなかった、残念ながら。
それに比べると小栗土建屋社長は、小さい頃の過ちをずっと抱え、
その弁済に生きてきた寂しさを身内から発していた、上手だった。
三人の少年が背負った大きな秘密が本シネマのベースになっている、
この秘密は冒頭にさっさと明るみにされる。
少年時代のもう一人柄本硝子屋社長が殺害されることから
彼らの過去が甦ってくることになる
…これが物語のテーマのようだ。

したがって、殺人事件の真相はたいして問題ではない。
「なんだ そりゃ」と絶句した小栗社長の言葉が象徴的だった。
同様に刑事の立場と過去の悪夢に悩む、岡田刑事の葛藤も問題ではない。
家族を作る、その家族を守ることを目いっぱい正直に実行する
小栗・柄本両社長の償いの尊さだった。

オーソドックスなシネマ構成、選び抜かれた富山の風景、
巨匠降旗、木村の存在が大きかった。

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