ナポレオン (2023)

文字数 568文字

【リドリー x ホアキン = ファンタスティック】 2023/12/5


ナポレオンの最後の言葉がエンディングシーンに表れる:
「フランス、陸軍、ジョセフィーヌ」だったという。

この三つの言葉を忠実に再現したかのようなナポレオン伝記シネマだ。
物語はフランス革命の断頭台シーンから始まり、「ゴッドファーザー(1972)」を思い起こさせるようなシーンまで、ナポレオンが世に出て終焉に至るまでを描いている。
優れた戦略家であり自らも軍隊を溺愛する指揮官という暴力志向の一面と、ジョセフィーヌへの愛を貫き通す純粋な心根という裏の一面、この二つを織りなす小気味よい展開は巨匠リドリーならではの語り口、長編にもかかわらず退屈する暇はなかった。

そんなリドリーの大作には似合いそうもない最近のホアキンだけど、ここは「グラディエータ―(2000)」の恩返しのようにナポレオンの内側を、その二面性をわかりやすく演じてくれる。

史実にもとづいた有名エピソードは戦闘の類を含め特に目新しいものはないが、必要以上にも思える細部にこだわった展開が続く。
ジョセフィーヌとの確執や権力闘争の細部に至っては、リドリーとホアキンでなければもしかして耐えられない茶番になったかもしれない。

シネマでしか再現することができない、壮大なフィクションロマンを久しぶりに堪能した。
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