スラムドッグ$ミリオネア (2008)

文字数 825文字

【パワフルインド】 2009/4/9



「いや~ん、 インドシネマって好きかもしれない」
と、いい年のオッサンとも思えない感想に尽きる。
そのとおり、インドシネマ初体験だった。

自慢するが、幼少の頃からデューク・ジョン・ウェインを代表とする
ハリウッドシネマに洗脳され、
ヨーロッパモノは難解、ジャパンモノは無粋と決め付けた
初期誤作動を今に至っても引きずっている。
インドモノ・・・?噂には聞いてはいたが
アカデミーの権威がなければ接することもなったろうに・・・。

スラム出身の無学な青年がクイズショーで最高位(最高金額)を獲得するのが縦糸、
そのクイズの正解をなぜ知ったか(または知らないのか)を探るミステリーが横糸、
そして織り込められた兄・弟の絆のインド布帛に我が心を打ち響かせた。

ストーリーの詳細は映像で体感するしかないインド情緒にあふれながら、
映像創りに手馴れた多数の製作人を想像させる完成度の高さだ。
脚本、撮影、編集、音楽どれをとっても安定感にあふれていて無駄もない。
なるほどインドシネマの実力がここに凝縮されていた。

スラム出身の青年がふとしたきっかけで大金を手にする幸運と、
本シネマがハリウッドに高く評価される幸運がかぶさって見えた。
青年は無学だが明晰な頭脳と生きるガッツにあふれている。
インドが今世界の中心になりつつあるという現実とこれまたかぶさって見えた。

僕がいちばん気に入ったシーンは、
実はエンディングタイトルバックのダンスシーン。
話に聞いていた「役者が踊る」を体験して
ンドシネマの計り知れないエネルギーを感じた。
サスペンス、兄弟愛、悲恋成就、サクセスストーリーを
すべて呑み込んでしまうダンスシーン、
ナンも大好きだけど、シネマも好きかも。

ちょと昔話:
35年ほど前、「クイズタイムショック」で週のチャンピオンになったことがある。
その時の司会者、田宮二郎さんとのやり取りを懐かしく思い出した。
そう、解答者と司会者はある種の共犯意識で結ばれていることも・・・。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み