ヒトラー ~最期の12日間~ (2004)

文字数 449文字

【等身大の怖さ】 2008/9/9



予断として舞台劇のイメージを抱いていたら、とんでもないドキュメンタリー風味のリアル戦争
巨編に仕上がっており、それはそれで大穴を当てた感じだった。
メイドインドイツらしく、細部にまでこだわって再現したヒットラーの生活空間を知るとことで、彼が怪物ではなく等身大の人間であることに気づく。
過去のハリウッド的常識ではいつもカリカチュアされた悪の権化であったヒットラ-の日常に、ここまで近づいたシネマは初めてだ。もっとも、逆に考えれば、普通の人間がこれほどの戦争を引き起こし数千万の命にかかわったことのほうが恐ろしい。

ドキュメンタリータッチならでは、市街戦から自決まで「血」がたくさん流されるが、ここは観
る方も我慢のしどころだ。
なぜ「またぞろ」人類は戦争を始めるのか?この問いに我々は応えるしかない、
気が萎えそうになっても。

ヒットラーの秘書の証言を基にしているだけにこの恐怖は真実に満ち、最後の秘書本人による
メッセージがとどめになった。
第三帝国の恐怖はあまりにも日常的だった。
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