王妃の館 (2015)

文字数 667文字

【伝えられない内容】 2015/4/26



「伝えられない」・・といっても、ネタバレができないほど驚愕の結末だったわけではない。
どうにも、つかみどころがないという文字どおりの意味なのだ、情けないことに。
通常の劇場本編は何らかの見所があるはずなので、その観点からおさらいしてみよう:
《想定できる見所》
1.作家「右京」水谷豊のスター性
2.浅田次郎原作の映像化
3.コメディのリラックス効果
4.ロケしたパリの映像
5.共演俳優のクセモノ具合

 などが思い浮かぶ端、片っ端から否定されてしまう。
(1)水谷さんは「変なおじさん作家」だった、浅田さんに遠く及ばない
(2)浅田さんの原作ってこんなに酷いものなら未読のままでいい
(3)人情喜劇でも、スラップスティックでも、アイロニカルでも、もしかしてコメディですらない
(4)まさか慰安旅行でパリに来たのでは?映像は薄っぺらく書割のようだった
(5)活きの良い助演俳優さんが多いのに,本か?演出か?その両方?が機能していない

観ていて恥ずかしくさえ思ったのが、予備知識になかった「劇中劇」。
変なおじさん作家が「キタキタ~」と叫んで執筆する小説がシネマに割り込んでくる。
幼稚園の発表会でも、もっと楽しめる幼稚な紅毛碧眼芝居を観せられる、ダラダラねっとりと。
どさ回りの田舎芝居風を狙ったのだろうが、あまりにも安っぽすぎた。
ただし、この劇中劇にもダブって出演しているのが水谷さん。

なるほど、本シネマの見所は「水谷豊」をたっぷり鑑賞することだったのか。
そしてその目論見は、完璧に失敗していた。
右京ブランディングに傷がついた。
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