パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉 (2011)

文字数 789文字

【押しても湧いてこない「生命の泉」】 2011/5/29



《・・・押せば生命の泉湧く・・・》のキャッチフレーズで一世を風靡した指圧の名人がいた。
今作はまことに残念ながら、どこをどう指圧しても「一滴の感動の泉、生命の泉」も湧いてこなかった。
だいたい、そもそも僕は前作「ワールド・エンド」をシリーズ最終作品にして最高作として絶賛、「パーフェクトよ、ブラボーよ、ファンタスティコよ」と褒めちぎってシネマ殿堂に格納した立場だ。
それがいまさら第4作目です・・と言われた日には、某Nuke委員長じゃないけど「僕の立場はどうしてくれるのよ?」だ。
だったらノコノコ観にいかなきゃいいじゃないの?・・・と言われればそれまで。

そこはそれ、シネマファンとして、もしかして「単なる商業主義だけじゃない」、「新機軸の展開が仕込まれている」・・・のではと期待したわけだ。
何のことはない「生命の泉」はたいしたものではなく、結局新機軸も無く、単なる金儲け主義のシネマに成り下がっていた。
あろうことか、次回作に続く伏線(たいしたことじゃないが)まで察知し、僕は本当に憔悴してしまう。

過去3作に魅せられたポイントはそこに漂う「おどろおどろしくも微笑ましいシュール」だった。
ジョニー・デップの奔放なお遊び精神、それに食らいつくオーリー&キーラの躍動も格好のバランスを構築していたものだ。

今作で大物ペペロネ姉御を配したのも、その空白を埋めるためだろうが、姉御もやけに安定した役者さんに成長してしまい、ジョニーとのあそび心も緊張感も残念ながら僕には感じられなかった。
おそらく次回からは二人の愛情ゲームと人魚姫と浦島太郎のフリンジエピソードが話の展開になってくるのも想像できる。
それって胸がわくわくしたり,キュンとしたりするのだろうかな?

さて僕は次回作にどう立ち向かおうか?
シネマくらいでくよくよ悩むな!
久々に戸惑っている。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み