世界の涯ての鼓動 (2017)

文字数 686文字

【シネマ史に残る哀切のラブストーリー】 2019/8/5



アリシア・ヴィキャンデルが幸せそうに哀しい恋物語を演じている。
2017年にマイケル・ファスヴェンダーとの結婚を前にしてのシネマ製作だったに違いない、大きなお世話だけど。
エキゾチックで少年の面影を漂わせるスウェーデン美人にスクリーンで出会えるだけでも幸せなのに、アリシアがまたもや芯の強い生物海洋数学者(?)を演じていて、至極の喜びだった。

アリシアには、本作のような日陰の功労者…といったイメージを持ってしまうが、それは俳優としての強みでもある。
今作では、母なる地球の遠い将来の危機に備える研究に身を捧げる美しい研究者。
深海の底に赴く危険にもたじろぐこともない、ただし恋人の消息だけが気になる。
なんというラブストーリー、人類のためそしてわが身の栄誉のために研究するアリシアが恋人のために気を迷わせる。

その恋人を演じるのがジェームス・マカヴォイ、 近年男臭さをふんだんにまき散らす異様な進化を遂げている。
彼はMI-6の諜報員という設定、科学者とスパイの接点はいったいどこにあるのか?
人類の危機を世界の人々に広く知らしめることだという二人、
生命の起源を海底から解き明かすことにより、いつか未来の人類を救いたい科学者、
ジハード(聖戦)という名のテロの実態を、これまた世界に暴露することによって諍いを根絶する教育ができると信じるスパイ。

女は、暗闇の海底で、男はソマリアの海で死に直面する、
二人が信じあったものが二人をどこに向かわせるのか?

科学もテロも実はどうでもいいサイドストーリーだった、
ラブストーリーはやはり永遠に美しい。
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