アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(プレリュード) (2015)

文字数 630文字

【思わせぶりだね 男と女】 2016/9/8



クロード・ルルーシュ(78歳)とフランシス・レイ(84歳)のコンビ作は数多いが、
本作は「男と女(1968年)」シリーズ最新作なのだろう。
タイトルも極単純化され「UN+UNE」、ルルーシュ監督の想いの昇華が偲ばれる。

男女の愛を語りつくしてきたルルーシュ監督にとっての集大成ならば、
本シネマの主人公(男)が映画音楽家なのも至極当然。
主人公を演じるのは「アーティスト」の名優ジャン・デュジャルダン、
奔放な愛に生きる著名人の原型はフランシス・レイなのだろうか。
かほどに、本シネマは人生の最終章を迎える名匠たちが贈ってくるメッセージが
饒舌、執拗だった。

本作の男女の愛の舞台はインド。
ボリウッド系ではない、アート系シネマの巨匠に依頼され映画の曲を書いた主人公が
ムンバイを訪れそこで恋に陥る。
その相手は仏大使夫人、自分もパートナーのある主人公だが、
インドのスピッリチュアリティを求めて二人はインドを旅する。
ガンジス川の沐浴、聖女との抱擁などインドの魅力に取り込まれた先に二人が気づいた心の叫び とは・・・?

前述のとおり説教臭いところは老人の習性なのだろうと受け入れることにした。
その難点を補っておまけになっているのがインドの聖なるシーンの数々だった。
インドに行けば、本当の愛、生の意味に辿り着けるのではと思ってしまう。

幻想と現実のカットバック、
主人公の父親とのユーモアあふれるエピソードなどなど、
ルルーシュ監督はまだまだ若かった。

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