ロビン・フッド (2010)

文字数 605文字

【「ロビンとマリアン」 新たな伝説が始まる】 2010/12/26



直近2箇月劇場に足運んでいなかったとはいえ、禁断症状というほどでもないから
久しぶりのシネマならどんな作品でもOKということではないとは思うが、
【リドリースコットワールド】にノックアウトされた。

リドリー作品は:
観客が想像する幻を「真実」のごとくスクリーンに再現する。
観客が観たいシーンを手品のように取り出してくる。
観客が胸に詰まる言葉を俳優にしゃべらせる。
最後にそれらはシネマのリアリティとして総合的に結実する。
観客は見事に満足させられてしまう。

もちろんいつもりドリーシネマがこの効能を発するわけでもなく、
すべての観客層に受け入れられるはずもないのは
今の多様性の世界ではこれまた当然だ。

それでも、
以下は勝手な考察、妄想である:
ロビン・フッド《ビギン》に「自由」の根源が仕組まれていた。
ロビンとマリアンがアウトローの世界に魅せられた背景となる権力への不信に共鳴した。
「騎士はその服装で判断される、中身は皆同じ」とロビンに言わせたリベラル賛歌。
父と息子の絆の大切さ、尊敬は人から与えられるもの
・・・・等々これらは人生の教科書の羅列だ。

人生の主要なステージを終えつつある僕には、
しかしながらこの教科書文言が心地よかった。
自由に生きることを忘れるしかないときがある、
忘れたほうが楽なときもある。

本作品は「それって本当に幸せですか?・・」と問いかけていた。

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