イルマーレ (2006)

文字数 1,054文字

【ポストに乗って】 2007/2/18



韓流は得意でないので、オリジナルを観ていないが少なくともこれで十分だ、満腹したよ。
キアヌ・リーブス、ソンドラ・ブロック共演に、敢えて文句をつける気はない。
美男美女大いに結構。

タイムスリップの差がわずか2年というのが、異次元ラブストーリーを生々しくし、
前述の美男美女俳優起用に意義を持たせてくる。
僕は(または観客は)タイムスリップの制約なしで美男美女二人の対面を見てみたいと、
執着し始める。
よくよく落ち着いて考えれば、過去の年代に生きる側(キアヌ)が2年間我慢すれば、
先行する年代に生きる側(ソンドラ)は何も待つ必要が無い…と気づく。

実際、明日会おうという約束がなされたとき、やけに早いハッピーエンドかなと思ったものだ。
ところが、それでも遇えなかったという事実は何を示唆するのか? 
という疑問に僕は(観客も)誘導されてしまう。
後はハッピーエンドを阻むトラブルに僕(または観客)は翻弄されるという
楽しくも苦しいひと時が待っている。
僕が自分の解釈と現在の年代をいちいち家族に確認しながら鑑賞できたのは、
ひとえにDVDのおかげ。
これをシネマ館内で実行するほどまでにはオヤジ化していないが、こ
の種のタイムパラドクス物は、細かい疑問が気になりだすと
歯止めがなくなることを教訓としてお伝えしておきたい。
細部にこだわるのは止めよう。

結局、僕は(ほかの観客は知らないが)最後にはグチャグチャになり、
もうどうにでもイルマーレ・・・・になった。
まぁ、その賠償に見合う程度の良いエンディングだったとは評価してるけどね。
タイトルは《イルマーレ》でなきゃいけない条件でもあったのかな?
《レイクハウス》のほうが適切でいいと思ったけど。

ところで、タイムパラドクスで優位に立てるのは未来側だ。過去を知ってるわけだからね。
4月の雪を知らせるより、
アップルの株でも勧めたほうが良かったと思うんだけどな、僕だったら。

そういえば、最近のシネマでは、タイムマシンいらずのタイムトリップも
不思議じゃない実績があるね。
でもそれなりの、理由付けは最低のマナーだよね。
今回は父の建築物(郵便受け)が、愛する息子を引き金に異次元につながるらしい。

余談だが、
《地下鉄に乗って》で電車に乗るとタイムスリップする設定には、
兄が地下鉄に飛び込み自殺したことが重要な要素だろう、と観客に想像させるはずだったけど、何せ東京メトロのバックアップあっての撮影だったから、
この部分を交通事故死に変更し、論理が無くなった。かなり致命的だったね。

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