ボーン・アルティメイタム (2007)

文字数 606文字

【アクションをアルティメイタムに仕上げた】 2007/11/11



近年珍しく、「しり上がり絶好調シリーズ」として完結した。

伝説的ベストセラー原作が続編で味噌をつけたのとはえらい違いだ。
もっとも原作にある30年前のエスピオナージ、テロリストの定義が、
現代と途方もなくずれている分、オリジナリティを駆使した脚本化は必須であり、
その脚本ファインプレイにスプレマシーを差し上げたい。

第一作はラドラム原作であることにすら気づかずDVD対面だった。
特に不満もないが、特に感慨深いものでもなかった。
「なるほど、こうするしかなかったんだろうな・・・」と思いながらも、
マット・デイモンの強さに驚き、惹かれ、フィジカルなアクションの魅力を覚えた。

本シリーズのアイデンティティこそまさにこの「アクション」だった。
3作目の本作も、このセールスポイントを、
このポイントだけを追い求め価値を高めたシネマである。
月並みな褒め言葉「息もつかさない展開」を体験した。
今風に言えば「かたまってしまった」とでも表現すべきなのか、文字どおり観終わって身体の節々が、こわばっていた。
まるでスプリント・トライアスロンのように全力で突っ走るボーンを、眼だけで追いかけるわけにはいかない。
筋肉はもちろん、呼吸、汗、そして頭脳までも総動員してボーンに追いすがる自分がいた。
満足しないはずもない。

アクションをアルティメイタムに仕上げた製作一同の努力に心から敬服する。
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