ガール・オン・ザ・トレイン (2016)

文字数 560文字

【終わってみれば ハーレ・クイン・ロマン?】 2016/11/18



映像が醸し出す異様な悪意と、物語そのものの核が噛み合わない未消化焦燥感が残った。
シンプルな犯罪を目いっぱいおどろおどろしく飾り付けた監督(テイト・テイラー)は努力賞ものだ。
そんな周りの期待に応えていた主演エミリ-・ブラントだったが、さすがに個人の力量にも限界があった。
アルコール依存症で、過去に執着し続ける心優しき女性が本シネマの主人公。
不可解な事件そして殺人事件にまで発展するなかで、彼女はアルコールによる記憶障害から事件の真相が思い出せない。

シネマは、事実認識が不確定なミステリ(スリラー)として古典的ともいえる流れになっていく。自分を含めて怪しい人物が現れては消え去り、そこから謎が深まるというパータンだ。

主人公にかかわるのは、元夫とその妻、電車から眺める幸せそうな夫婦。
主人公は二人の妻に自らの希望と怨念を投影していく。
その先に起きる悲劇と真実が本シネマの見所になる。

繰り返しになるが、
実は簡単な愛憎関係を時間経過を操作したり、思わせぶりなカット、フラッシュバックで複雑にそして怖そうに見せている。
その本音は、力強く生きていく女性たちへの賛歌だった。
それはとても分かりやすく爽快にさえ感じられる。
ハーレ・クインのようだっといえば失礼になるのかな?
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