幸福のアリバイ~Picture~ (2016)

文字数 641文字

【オムニバス?それよりもシネマ本編ですか?】 2016/11/22



五編のシチュエイションコメディから構成されている。
1,3,4話は「幸福」を辛辣に扱っていてそれなりに、笑わせてくれる。
1話:ヤクザの幸せも、堅気と変わらないというオチだった(大地康雄さん健在)。
3話:中井貴一さんを起用して親子の断絶どこ吹く風のハイブローな笑いを狙っていた。
4話:柳葉敏郎さんが頑固な爺さんを演じているが昭和初期のアナクロシチュエイションになっている。
そして問題なのが、連続する2話と5話の空虚さだった。
山崎樹範さんご本人にかぶさってくるようにも感じられる目茶上昇志向のお騒がせ男の顛末には幸福のアリバイはなかった。
途中から、最終的にはもしかしてグランドホテル形式の大団円が待っているのではとの期待もあった。その意図が挫折して、代わりにかなりスケールの小さなエピローグとなったのが2話に対する5話だったみたいだ。
5話は観ていてつらい、恥ずかしい気持ちにさえなる、顧客への裏切りとしか言いようがなかった。

総じて、ビッグネーム俳優さんたちはその持ち味をまるでプロフィール写真のように確実に発揮している、ただしそれ以上ではなかった。
悲しいことに時間的スペースを占めている2話、5話はそのミニマムのお愉しみレベルにすら至っていなかった。
シネマは、舞台でもなく、テレビでもなく、ヴァラエティでもない。

シチュエイションコメディが大好きなだけに、本来目指したであろうところとのギャップを忖度して落ち込んでしまった。
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