明日へのチケット (2005)

文字数 1,082文字

【俄然元気が湧いてくる】 2007/5/11



元気のみなもと 《明日へのチケット》 、おかげさまで元気になれました。
ついこの間、鳴り物入りの話題作B(コミニュケーション断絶テーマを標榜していた)を観て、結構めげていたところだった。
生きてりゃ辛いことも、いやなこともあるけど、なにも悲観的に構えることはないし、難しく考えることはないと信じて生きてきたけど、このシネマBで打ちのめされた。

この落ち込み回復にシネカノン頼りしたわけだけど、間違ってはいなかった、観終わって生き返った。僕には、信頼のブランド、シネカノンだね。

そうそう、本シネマのキーワードも「信じること」、コミニュケーションの基盤に信頼がなければ、言葉も文字もただの記号だよね。
3話のエピソードがリレー形式で三大巨匠(大御所)によって紡がれていく形式だってことすら知らないまま、一気にローマまで列車で南下してしまった、楽しかったな。

古典的といってしまえばそれまでだけど、旅の3話構成。
それぞれ違うテーマで感動させられる仕掛けがあるけど、物語のコアを貫いているのがアルバニアからの難民家族の悲壮。
EU側の苦痛も忍ばれ、双方に同情してしまう。
ためになるシネマであることも間違いない。

各エピソードの感想を少し付け加えてみた:
●エピソード1
孫と遊ぶのが生きがいの老学者。列車の中でふと少年のころの淡い恋心を取引先の秘書に覚えてしまう危うさが魅力的だ、いくつになってもやっぱりイタリアの男だね~。
彼を甘い白日夢から引き戻したのは、難民の子供。
見えていも存在しないように無視される難民家族に手を差し伸べる老学者の気概にEUの確かな将来を見た思いがした。
●エピソード2
我がままし放題の未亡人に振り回される若者も含めてやっぱりイタリアの男は優しい。
みんな肩をすくめて、「仕方ない・・」だってさ。さぁ僕らも見習いましょう!
辛口の「オバサン批判」だけど、人はいつも誰かに頼りたいものだもんね、おばさんだって。
登場人物の眼が異様に強調されていたのは、眼は心の鏡の例えどおり、真実がそこからこぼれ出ていた。
●エピソード3
コミカルにそして感動の涙の決着編。
難民家族の困難はそのままイタリアの、EUの困難なんだけど、セルティックサポーター連中のような能転気があれば、みんな大丈夫(だろう?)。
信じることを疑わない限り、人間は解り合える・・・決して甘ちゃん結論ではない。

原題の「TICKETS]は、列車の切符の意味もさることながら、EU発展の切符だろうと深読みすると、俄然元気が湧いてくる。
元気でなくちゃね、EU構想まだ50年なんだから。
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