インサイダーズ/内部者たち (2015)

文字数 535文字

【クラシカルな反権力シネマ】 2016/3/24



政界、財界、そしてメディアの権力者が示し合わせて国を動かす。
そんな巨悪に一矢報いようとする反権力物語だった。
巨悪に言わせれば・・・国民には犬のように吠えさせておけば、そのうちに静になる・・・らしい。その意味を素直にとれば、本シネマもある種のガス抜き工作なのかもしれない。

物語はシノプシスのように、スピーディに簡略に進んでいく。
一国の巨大なスキャンダルを描くには少し淡泊すぎる。
そのおかげで、
単純な勧善懲悪のカタルシスに浸れるのは、やはりガス抜きなのかな?

巨悪に挑むコネも学歴もない検事の野望と、男気だけで生き抜いてきたチンピラの友情物語は陳腐の極みだ。
しかし、この友情部分は意外とさっぱり描かれていて、韓国シネマのくどさを感じない。
それを云うならば、シネマ全体のトーンがあっさりしている、繰り返しになるが。

その中で異彩を放っているのが、イ・ビョンホン、最後まで義理を守る姿勢はかっての任侠シネマを思い出させてくれる。
彼の存在感でのみ本シネマは成立していた。
巨悪の描き方はコミカルにカリカチュアされ、現実逃避を意図している、正義の旗振りの検事もしかり。

「モヒートでモルディヴを飲もう」という片手のチンピラがやけに眩しかった。
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