列車に乗った男 (2002)

文字数 528文字

【心で、想いで感じる】 2007/11/7



《アイドルを探せ》以来のジョニー・アリディに会ったわけだ、
40年あまりの歳月は過酷だ、面影がなかった。

甘い、甘すぎた面影がこうも変貌する、
そしてとてもいい顔になっていた。
ジョニーとジャン・ロシュフォールの組み合わせ、僕のフレンチノワールの理想に近い。
復興の兆しはあるが、絶滅に近かったフランス的伝統技「男の義理人情ワールド」に浸った。

個人の嗜好でわがままを言わせてもらえれば、「男同士のフレンチシネマ」といえば、
アラン・ドロンとのカップリングにどうしようもなくノワールを感じる、
ジャン・ギャバン、リノ・バンチェラ、ジャン・ポール・ベルモント、チャールス・ブロンソンとのケミストリー、
目を閉じれば名シーンがまぶたに浮かぶほどだ。

そんな名シーン、本シネマにもたくさんあった、僕の贔屓は「散髪」と「拳銃の練習」。
命が燃え尽きようとしている老人の無邪気な願望が切なかった。
が、なんといってものラストシーンに作品のエッセンスが凝縮される、
その感慨、文字や言葉では説明できない。

理屈ではなく、心で、想いで感じる作品、
スクリーンに続く重たいグレイトーン、
最小限のライティング、
人生の最後はこんなものだろう、
こんな最後も魅力的だ。
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