グッド・ライ ~いちばん優しい嘘~ (2014)

文字数 633文字

【メイド バイ スーダン】 2015/4/21



エンディングロールで驚いた。
スーダン難民を演じたその若者たち自身が、スーダン難民だたっとは・・・・。
ハリウッド作法上、リース・ウィザースプーン主演となっていて、近年の彼女らしい「肝っ玉おばさん」を好演しているが、本シネマの主演は、どう見てもスーダンの難民だろう。

ついこの間、同じケニヤの難民キャンプを舞台にした日本製「風に立つライオン」に感涙してしまったが、やはり日本人は平和ボケと揶揄されても仕方がないと思わせてくれたのが本シネマだった。
本作では、スーダン難民の出自を丁寧に残酷に説明してくれる。
両親を殺され、エチオピアに逃れて追い返され、今度はケニヤまで歩き続ける子供たち、どれほどの距離なのかが分かる。このように真正面からスーダンの子どもたちに向き合っている。
崇高なるボランティアの話ではない。

物語はこの後、NGOの尽力でアメリカ カンサスシティに移住した兄弟たちのトンチンカンはアメリカンライフで笑いを誘う。ここで、ウィザスプーンおばさんの登場となる。
彼女の貫録ある演技はアメリカ市民の底抜けの善意を感じさせてくれる。
しかしながら、シネマはしっかりとスーダン難民の苦悩を外連味なくとらえて離さない。

タイトルになっている「グッドライ」、
事前には、アメリカ市民層の甘さ満載の「グッドライ」を想像していたが、良い意味で大きく裏切られた。
スーダンのためにスーダン人が犯す「グッドライ」、
人間の計り知れないパワーを感じた。
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