ブロンコ・ビリー (1980)

文字数 521文字

【巨匠の香り】 2011/3/14




ワイルド・ウェスト・ショー、ブロンコビリー一座のどさ回り、笑いと恋が満載の心温まる物語だ。
一座は座長のビリー以下6名、少数精鋭といえば聞こえがいいが、何から何まで、自分たちで面倒を見るのが一座のルールだ、まさにクリントの生き方そのものではないか。
質素でも勤勉であれば人生は楽しい、他に何が不足なのか・・というわけだ。
仲間を守り、弱者に肩入れする本シネマの主人公は、しかし実際はヒーローからは程遠い。
もともとは靴のセールスマン、カウボーイにあこがれて、今は観客(子供)にその夢を託す旅芸人がビリーだ。
そしてこの一座に絡むのがソンドラ・ロック扮する高慢ちきな美女。
この女性にかかわるサブストーリーはビリーの人生の対極である「マネー至上主義」の伏線として最後まで対比される。
彼女が、ビリー一座の仲間に迎い入れられる。人生お金じゃないねって終結する、たわいのないラストが妙に嬉しくなる。
クリントは監督7作目にして、巨匠の貫禄さえ感じさせ、これぞアメリカ映画らしい・・というシネマを撮った。映画作家としての才能が花開き、その実が細部に散りばめられている。
さすが常に前進あるのみのクリントならでは、新ジャンル名作だった。
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