陽気なギャングが地球を回す (2006)

文字数 844文字

【スタイリッシュなシネマ】 2007/7/15



こんなにもスマートな邦画が創られたことを1年間も知らなかった、ほんと恥ずかしい。
監督、脚本の前田哲さんのことも知らなくてごめんなさい、大変面白く仕上がってます、
これからは目いっぱい気にしますから。

伊坂幸太郎原作のなかでは異色の軽薄さが目玉とはいえ、
そこはそれ、伊坂さんの華麗な緻密計算美を、
きっちりと押さえた上でのこのスタイリッシュ具合に、新しい時代すら感じて・・・
またまた、老後の愉しみが増えたと喜んでいます。
「スタイリッシュなシネマ」ってキーワードから想像する日本人俳優さんと言えば誰だろう?
その答えはすべて本シネマにありました。
上手だったり、存在感あったりって俳優さんにも、
この「スタイリッシュファクター」は難物なんだろうな。
おまけに、こいつは言葉で表現できないからややこしい・・・・けど、たとえば;

■大沢たかおvs鈴木京香のキスシーン、(僕の名キスシーンファイルに登録ておいた)
■佐藤浩市の、機関銃のような演説せりふの悩ましさ、(もっと聞きたかったな)
■松田翔太に漂う少年のピュアな艶かしさ、(これからが楽しみ)
こんなところに僕はスタイリッシュを感じたけど、どんなもんかね?

本作のVFX,取り立てて、目新しかったり、斬新じゃないけど、
印象深いぶんシネマ全体のスタイリッシュに磨きを加えていた。
VFXもこういう具合に使うと高効率・生産性上昇にになるんだね、
大事なのはお洒落さ加減に尽きるんだな。

そういえば映像自体も、ラストシークエンスのメキシコパートを含めて
飛びぬけたオリジナリティがあるとも思えないまま、
もしかしたら意識的パロディなんかい?と勘ぐるカットもそこここに。

でもでも、スマートなパロディほどスタイリッシュなものもないのです。
人類文化は99%の模倣と微小のアクシデント進化があっての悠久なのです。

なにはともあれ、僕が待っていたお洒落感覚シネマに乾杯だ。
懸念:
スイスで調子に乗りすぎて、ブッチ&サンダンスの二の舞にならないでね!

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