黒い司法 0%からの奇跡 (2019)

文字数 497文字

【いま必要なのは「寛容の心」】2020/3/12



志の高い黒人弁護士をマイケル・B・ジョ-ダンが演じる。
1983年のアラバマ州、「アラバマ物語」の聖地で横行する冤罪死刑囚を救出する人たちの長い闘いが描かれている。

黒人差別、黒人への偏見に対する抗議の物語かと思いきや、
実は富の格差に伴う顧みられない人権擁護を謳う格調の高い内容になっていた。

「富める者が優遇される一方で、貧しい者は冷遇される」
・・・と呟く主人公弁護士。
1983年当時のアラバマ州の貧しい者とはすなわち黒人であるとはいえ、
この告発は現在に至っても社会の矛盾を鋭くえぐる。
大企業のための政策、株価重視の経済策などは、
いわゆるエスタブリッシュメントのための法適用になっていないかと問いかける本シネマ。

そこに必要なのは「寛容」だという。

金持ちが貧者を助けるという当たり前の行為すら、
とっくの昔に消えてしまった現代世界に失望することなく、
「希望」をもって立ちあがれ、倒れてはいけないと訴えていた。

それを奇麗ごとだと片付けてしまうことなく、
諦めることなく理想を求めることをもう一度胸に刻んだ。
蓋し名作だ。
(それにしても意味不明の邦題ではないか)
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