クラウド アトラス (2012)

文字数 565文字

【果てしなき流れの果てに】 2013/3/31



シネマ革命作品なのだろう。
ウォシャウスキー姉弟、トム・ティクヴァ共同監督
・・・とくれば「革命的ストーリーと映像の奇蹟」が実現してもおかしくはない。

19世紀半ばから24世紀頃までの人間にとっては果てしなき流れのなかで、
6話が紡がれていく。
この6話の展開がクール(ナウイ)。
6話の主人公それぞれの体に「ほうき形彗星」の痣が印されていて、
僕はこの6話の関連性に気づく。
ただしこの関連性を意識しすぎると、
せっかくの映像美を見過ごしてしまいそうになることにも気づく。
3時間近く、時代を越えた6個のストーリーが目まぐるしいカットでスクリーンを飾る。
ここは製作者の意図にどっぷりと身を任せていればいいのだ・・・と納得した。

観終わった後の充実感は、
極上のSF大河シネマシリーズを完結まで読み終えた清清しさに近いものだった。
そう、小松左京信者の僕は「果てしなき流れの果てに」に刻まれた
「人間の愛と実存」を本シネマから感じ取った。
でも、ここで描かれているのは、たかだか500年の年表でしかない。
それも300年は未来のお話、いったい人間は宇宙にとって何なのか?

ラストシーン、トム・ハンクスとハル・ベリーの語らいに胸を熱くした。
人類が末永く宇宙にとって価値ある存在でありますように。
本シネマ、あまりにも名作。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み