オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁 (2019) 

文字数 566文字

【一帯一路の山岳サスペンス】 2019/11/18


中国製作シネマです、
日本、台湾、香港、カナダ、むろん中国の俳優さんが集結しています、
そのスケール感と国際色をもってして、一帯一路を実践した出来上がりといってよいでしょう。

山岳サスペンスシネマといえば、古くは「アイガーサンクション(1975年)」で大きな問題になったキャスト・スタッフの安全問題も、近年のVFX支援のおかげで、とんでもないシーンが映像化されることになってきているように、本作でもエべレストの美しくも険しい素顔を息をのむような迫力で楽しめることができます。

一方、一帯一路の普遍的テーマというと皮肉になりますが、サスペンスそのものは古典的な展開になっています。
言葉を換えれば、だれが見ても理解しやすいお手軽な陰謀や隠された過去に秘められた愛、などなど凡庸ですらあります。

エベレスト頂上近くのアクション設定となると、役者さんのお顔も見えなく、
見えても凍傷・外傷ばかりという心地よくない映像が多いのですが、
役所さん一人、素顔をさらし続けて招かれた主役の矜持を見せていただきました。
キャストのなかで際立って上手なパフォーマンス、さすが日本を代表する俳優さんでした。

シネマ製作の急速な進化を目の当たりにして、
かの国の強大さを改めて感じた次第でした。
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