アウトローブルース (1977)

文字数 460文字

【爽やか反権力】 1978/1/4



「イージーライダー(1969)」の衝撃から8年経過、スター二代目の青臭い生きざまは彼の本性ではないことくらいは承知している。
ピーターはそれでも「怒りの山河(1976)」に引き続き理想的ともいえる反権力ヒーローをイージーに楽しそうに演じていた。
予想していた、期待すらしていた狂気や暴力は封じ込められ、爽やかとも思えるアメリカンファンタジーにて転換していたが、僕も結局最後には主人公に好感を抱く結果になった、おそらくは他のアメリカのファンと同じように。

物語の舞台はアメリカ人の心のふるさとカントリー&ウェスタン(C&W)の世界、今作で悪に立ち向かう武器は「頭脳」。
その戦略がスコミ操作という皮肉がそのままアメリカの現状を揶揄している。
体制の権化のようなC&W大御所、選挙最優先の警察署長、自由が一番大切な一般市民、そしてお決まりの頭脳明晰・美人の恋人。
顧客が求める気軽で楽しいシネマを作るための用意ができた中で、ピーター・フォンダの快進撃は止まらなかった。
(記:1978年1月4日)
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