ノーボーイズ,ノークライ (2009)

文字数 607文字

【冗長が盛りだくさんを台無しにした】 2010/4/5



妻夫木主演、渡辺あや脚本と触れ込まれれば、
僕が苦手な韓流でも手出ししてしまうというものだ。
そして、あえなくもノックアウトされる・・・
これも欲張りなシネマファンにはありがちなパータンである。
いかに監督力がシネマを支配しているか・・・俳優やホンには優位性がないことをつくづく感じたものだ。

問題の監督力だが、
僕には冗長過ぎた。これに尽きる。
日本シネマの不思議部分でもある【情感】を忖度するとこうなるという外国人スタッフのミステイクだった。
渡辺氏の名誉のために付け加えると、
ストーリーに散りばめられた素材はあいも変わらずユニークに輝いている。
主人公(妻夫木)の妹は想像を絶する奔放な色狂い、兄とてなにやら暴力破滅系みたいだ。
彼らが貧困から抜け出るため、闇の金を強奪するのが日本側の事情。
一方で、
ボートで麻薬密輸する韓国のチンピラは正直がとりえの茫洋たる好漢。
富豪の娘を密輸したところから日本の強欲に巻き込まれていく。
これに主人公の元彼女が絡んだり突然のファンタジー出現など、なかなか盛りだくさん過ぎる内容だ。

こんな贅沢な材料に逆に取り込まれてしまったのだろうか?
韓国と日本、このギャップを埋めるシネマに固執してしまったのだろうか?
韓国のチンピラ、あるいは日本のキレ男どちらかひとつに絞り込んでも面白かったのに。
いかに監督といえども共同で作業することは、まっこと難しい。
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