マイティ・ソー (2011)

文字数 769文字

【気になる トム・ヒドルストン】 2011/7/3



シネマの楽しみ方はいろいろだ。

ストーリー展開に驚く、
美しい映像に魅了される、
編集の切れ味に引き込まれる、
テーマ音楽が感動を増幅する、
俳優の力量に感心する・・・などなど。

僕がこれらのお楽しみの番外で期待しているのが、新人俳優に出遭うこと。
実は今回、僕の不得意なコミック原作ジャンルシネマにもかかわらず
わざわざ劇場に足を運んだのは「浅野さん」ハリウッドデビューのご祝儀のためだった。
だがまさか、浅野さんを気になる新人と言うわけにはいかない(残念ながら)。

僕が大いに気になったのは主人公「ソー」の弟(ロキ)を演じたトム・ヒドルストン。
どうやら今後のシリーズでマイティー・ソーの宿命のライバルになる役設定だ。
この手の役はいわゆる「儲け役」と言われる類だろう。
コミックヒーローが深刻に悩むシチュエイションは最近では珍しくもなくなったが、
それでも、ヒーローのトラブルはさほど深刻でも複層でもなく、
乱暴に括ってしまえば、ヒーローたちの問題は「愛情にかかわる」場合が多い。

そうすると勢い「カタキ役」に屈折した性格、どちらかというと生身の人間を象徴させることが多くなる。話題にしている「ロキ」はまさに心理カウンセリングが必要な生い立ちと家庭内環境を満たしている。
そんな心のダークサイドをトム・ヒドルストンが初登場シーン一発で決めている。
所詮コミックのお話だからそうそう突き詰めてカタキ役の心理状態を忖度しても意味は無いかもしれない。
しかし、なんとなく憎めなくて同情したくなる悪キャラクターは貴重である。
まして端正な知的な雰囲気を発散できる稀有な役者トム・ヒドルストン。
気になる俳優にめぐり合って楽しい時間をすごしたものだ。

老婆心:
「ロキ」に再開するために続編を観るかどうか?
これははまた別問題ではあるけど。
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