ジェシー・ジェームズの暗殺 (2007)

文字数 652文字

【アメリカンヒーローの原点を見た】 2008/1/13



いろんな想いが交錯する。
ここはブラッド・ピットの想いを汲んで彼の「代表作」だと言い切ってしまう。

誰もが知っているつもりだった「義賊ジェーイムス兄弟とその仲間」の内面を晒したこと、
現代に至る銃社会アメリカの原点を際立たせてくれたこと、
正義が権力によってその様相を変えることが容易であること、
そんな想いをスクリーンから受け取れる幸福に感謝した。
なかでも、
ジェシーのカリスマ性はブラッド・ピットが演じたことで更なる高みにはまった。
ジェイシーの死をも恐れない異常な行動、そこに見る残虐を暴きながら、
一方で裕福な家庭を取り繕い、知性を偽る二面性を彼は映像で再現してくれた。
皮肉なことなのか、それとも意図したことなのか、
そこには新しいジェシー・ジェイムスのレジェンドが育まれていた。
ガンベルトをはずして、額縁の硝子に反射する暗殺者ボブ・フォードを見つめるジェシー、
アウトローではない、ヒーローへの称賛がそこにあった。
結局ブラッド・ピットはジェシー・ジェイムズをアメリカの魂を象徴するものと位置づけた。

そこで、どうしても忘れていけないのは、暗殺者ボブのこと。
演じたケイシー・アフレックにとっても「代表作」になった。
ボブの生き様、その人としての成長(敢えて成長といいたい)が哀しくも切れ味よく演じられていた。

観終わった僕はというと、
なぜこの殺人がおこなわれたのかまるで理解ができなくなっていた。
ジェシー・ジェイムスとは一体何者だったのか?
なかなか面白いシネマである。
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