永遠に僕のもの (2018)

文字数 564文字

【天使の顔をした殺人鬼】 2019/8/21



1971年 ブエノスアイレスで実際に起きた連続殺人事件犯人の再現物語…というところか。
金髪巻き毛の幼い容貌の少年が、あっさりと人を撃ち殺す…このギャップをシネマのテーマにしている。
本当にそれだけなのか?
僕はシネマから何かを念写されるかのように、この殺人の真意を探り続けていた。

1971年、当時21歳から18歳の少年ギャング、彼らは日本で言われている 「団塊世代」、
かくゆう僕もその末席を汚すものだけど、1971年といえば世界的にもベビーブーマーの反乱も終息していたころ。
そう、本シネマの主人公(そのお相棒も)思想的な背景などはこれっきりもない、単なるアウトローに過ぎない。

シネマのなかでも、楽に人生を楽しむことを本能のまま実行する彼ら。
当然南アメリカであろうと、どこであろうと社会の敵となる。
単なる暴力強盗犯がたまたま美男だったから、今の今に至ってまで半世紀後にも話題になるという物語だった。
それは家庭での悲惨な原因もなく、教育の不備でもなく、社会秩序や政治体制批判でもない。
ただ欲しいものを強奪し、邪魔するものは殺す…という原始の掟がそこに見えるだけだった。

そんな犯罪者はどの時代にも表れるのだろう。
ただし、それは稀なケースであってほしい。
だからそんな彼らを「天使」と称して畏れる。
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