オズランド 笑顔の魔法おしえます。 (2018) 

文字数 489文字

【愛と涙の九州版スティング】  2018/11/8



見事に引っかかったのは僕だった。
正論一直線シネマに疑いを持ったひねた僕自身がペテンにかかった。

九州人のとても近い人間関係に疲れるか、憑かれるか?
本シネマでは地域住民の笑いのために仕事をする心熱い遊園地職員がその九州代表。
そんな集団に飛び込んだ東京本社採用の新人女性(波留さん)のビジネスサクセス物語だった。

この種のシネマには定番のようなものがある。
最初は嫌味な先輩が良い人だったり、親切なふりをする悪意の仲間がいたり…であるが、
本シネマには一切ネガティブ分子がいない。

新人の一年間を通して、たわいない一個一個のエピソードに僕はほろりと来る。
迷子の子供に感謝され、
駄目ボーイフレンドに引導を渡し、
停電トラブルに対処し、
恩人の感謝会でからまわりする、
そんな主人公に、僕は胸を詰まらせた。

一方、スケールの小さい流れをラストシークエンスで一気に覆す映像表現、
気球に対峙する屋上の主人公シーンは劇場でしか感じられない大パノラマだった。

そして終わってみれば、僕のひねた心はまっすぐに修正されていた。
爽やかで元気が出るシネマは何よりだった。

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