騙し絵の牙 (2020)

文字数 548文字

【本大好きには至福の時間】2021/3/29



本を読むのが大好きだ。
シネマを観るのと同じくらい大好きだ。
本の存亡にまつわる興味深いテーマのシネマ、
それも吉田大八フィルムときては、
退屈する暇はなかった。

本の存亡の危機は、今に始まったことではない、
もしかしてその最終段階に来ていると思ってるのは僕だけではないだろう。
一番その想いを強く持っているのが、今シネマの登場人物たちだった。
出版社、作家、取次会社、本屋、ネット販売者・・・
それぞれの苦境、思惑、希望がちりばめられている。
そのそれぞれに僕はエールを送っていた、シネマを拝見しながら。

事前の番宣、CMではいかにも企業内部の権力闘争の化かし合いを示唆している、現在ヒットするコンテンツではあるから仕方はない。
しかし、
物語の底流には「本を愛する心」が流れている、
いろいろな流れ方がるので、いろいろな立場で楽しめることだろう。

本は文学をもって本流・・・とするも良し、
本はスキャンダラスが不可欠・・・とするも良し、
本は経済活動の商品・・・とするも良し、
本は作家のもの・・・とするも良し、
本は読者のもの・・・とするも良し、
本は編集者のもの・・・とするも良し、

大勢の役者さんが、こんないろいろな想いを説明してくれる。
本大好き人間にとって、至福の2時間近くだった。




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