星の子 (2020)

文字数 832文字

【泣きの演技 進化中】2020/10/12



芦田愛菜さん初主演作・・・とのことで馳せ参じました。
コアなファンということではないのですが、
「パシフィック・リム(2013年)」での泣きの演技に驚いた記憶が
今でも心の奥に残っています、それほどのまでにハリウッド俳優を食いちぎった
泣きの名演技でした。

そんな愛菜さん主演シネマを撮った大森監督、
一癖二癖あるフィルムメーカーなのでちょっと油断すると知らない間に、
途中からどこか次元の異なる世界に連れていかれたりする恐れがあるので、
常々注意して拝見してなければいけません。

本作物語は、設定からして奇妙でありその実は切ない。
赤ん坊の時の難病を癒してくれた新興宗教にどっぷりつかってしまった両親、
そんな親に子供はどう接すればいいのだろうか?
重い枷を噛められた青春、本人がその宗教に深層で疑問を感じている愛菜さん演じる中学生への想い、寄り添いが僕には湧き上がってくる。

イケメン教師へのほのかな憧れ、親友との固い友情などなど、ベースには学園ドラマの要素が多々あるが、
親戚との衝突はじめとする、過激な宗教活動と主人公の心の裡での葛藤が後半のテーマになる、そしてミステリアスな展開に。

もしかした、ここから大森爆弾が炸裂するのかと思う・・・・が。
大きな肩透かしのエンディングだったと受け取るか、主人公の未来は限りないという楽観的展望と受け容れるか?
まるで、芦田愛菜さんの未来のように大きく拡がる星空と流れ星のシーンが意味するところは、観るひとりひとりのお愉しみとなっている。

愛菜さん主演のために永瀬正敏、原田知世(両親)、イケメン教師(岡田将生)、
高良健吾・黒木華(新興宗教幹部)、宇野祥平(変なおじさん)・・・
などなどベテラン、若手、曲者の役者が脇を後ろを固めていて心強い想いだった。

そうそう、愛菜さんの「泣きの演技」はどうだったかって?
今作では3回泣いていましたが、抑制された練熟度の高い「泣き」でした、
間違いなく愛菜さんは今も進化中です。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み