鷲は舞いおりた (1976)

文字数 536文字

【ドイツ軍の復権】 1978/1/25


サスペンス仕立ての戦争秘話、それも特攻作戦、それもそれもドイツ軍のミッションとなれば僕のお好みだった。戦史の裏側のお話なので何が起ころうとも気にならない、もとよりシネマは作り物であるので違和感は少なかった。

「戦争のはらわた (1977)」にもみられたように本シネマでもドイツ軍をナチスとは別の組織、それも優秀な組織として扱う。第二次世界大戦から30年が経過し冷静な歴史考察がされてきた証だろう。

というわけで、飛び切り優秀で良質のドイツ軍人として、マイケル・ケイン、ロバート・デュヴァルがキャスティングされる。
英軍にカモフラージュして潜入するという大筋プロットもさることながら、戦争巨編が多数製作される近年において小さな村での丁寧な戦闘シーンが珍しくもあり楽しませてもらった。

しかし、原作にあった緊迫感が乏しかったのは、シネマの兵士たちがあまりにも行儀の良い連中ばかりだったからだろう。
またラストのどんでん返しもあっさりと取り扱われ、終わってみればスポーツをフェアプレイで戦いましたという記録作品のように思えた。
そんな中、ヒムラーを演じたドナルド・プレザンスひとりが冷血ぶりで気を吐いていたのが印象的だった。

(記:1978年1月25日)
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