ホテル・ムンバイ (2018)

文字数 659文字

【地味だけど大作です】 2019/10/1



ムンバイで起きた同時多発テロ事件、死者174人負傷者239人を地味とは言えないが、
本シネマはテロ現場のひとつのタージマハル・ホテルにおけるテロリスト対 宿泊客・従業員の闘いをドキュメンタリータッチで描いている。
主人公にはデーブ・パテール、インドものには欠かせない存在になっているが地道な演技派だ。
必然的にインドの俳優さんが多いなかアーミー・ハマー、ジェイソン・アイザックスがキャスティングの華なのだからやはり地味だろう。
その対極にある少年テロリストたちが、だから相対的に派手に見えてしまった。

本シネマは、イスラム原理主義と、世界規模の経済格差をより深く考え直す機会になるといい。
「テロは絶対に許されるものではない」という綺麗ごとでは済まないだろうことをこの少年テロリストは僕に教えてくれた。

こんなジョークを思いついた:
《 ホテルでテロリストに追い詰められたとき…》
アメリカ人は妻・子どものためにテロリストと闘う
ロシア人はテロリストを罵倒する
フランス人は自由・平等・博愛の大切さをテロリストに説得する、
イギリス人は大昔のムハンマドとの密約をテロリストに持ち出す、
ドイツ人はイスラム教の真実をテロリストと論ずる、
中国人は一帯一路にテロリストに勧誘する、
日本人は平和憲法を盾にテロリストを懐柔する、
韓国人は、日本人の反対をする、
そして、
タージー・マハールホテル従業員は「お客様は神様」だという信条の元、イスラムの神を名乗るテロリストに抵抗する。

勇気と愛にあふれた地味なシネマだった。
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