カラオケ行こ! (2024)

文字数 572文字

【カラオケ行こ! 狂児と聡実に会いに】 2024/1/12


シネマでしか再現できない設定、カラオケという密室空間に笑いと青春を封じ込めたアイデアはまるでオリジナル作のようだった、原作はコミックとのことだが組員のカラオケシーンの面白さをどう絵で表現したのか、ちょっとだけ気になった、
と言って確認するほどのことでもないが。

ずばり、ヤクザ(シネマでもこの言葉を言いきっている、立派)のカラオケ大会をひとつのテーマにする勇気を今時のシネマ関係者が発揮したことが本作成功一番の要因になっている。
もう一つのテーマである、中学生の混声合唱団内のエピソードを敢えてシリアスアナクロにして、ヤクザさんをライトアップした豪胆テクニックにもひたすら恐れ入った。

年に一度巡ってくる組長主宰のカラオケ大会で最下位になってはいけないお約束も面白いし、中学生合唱部員が組員の面々を指導するシークエンスも予想通り大うけだったし、何より主人公若頭補佐(綾野剛さん)の強面なのにいい加減な生き方が好感度高かったし、中学生を演じる齊藤潤さんとの絡みで二人の本音が、その家族が、ポロポロこぼれだすところも心憎い見せどころだった。

大胆な設定、きめ細やかな細部、異次元の男の友情、すべては脚本のパワーが源だった。
狂児と聡実に会いたいと思った、そして二人と一緒にカラオケに行くのだ。
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