怪物の木こり (2023)

文字数 726文字

【コメディ版 「アルジャーノンに花束と斧を」】 2023/12/1

原作は未読というより全く知らなかったので、予告編情報から判断した・・・ 久しぶりのアンチヒーローシネマ、それも邦画、そして亀梨さん、とくれば興味がわくというものだ。

まずもってサイコパスの定義を今まで本気で考えたことがなかったこともあって、主人公を含めたサイコパスさんたちを実感することができなかった。
恥ずかしながら、サイコパスは異常殺人鬼だとすら思っていた。
しかし、この手の誤解が本シネマのベースになっているところを見ると、本シネマ自体当初からバイアスがらみの企画だったのか。

いちおう、連続殺人犯は誰だ? というミステリー仕上げなので謎解き詳細開陳は控えるが「斧で頭をかち割る」というのがキーになっている。 ホラーエッセンスも相当ちりばめられているので、最初はサイコパス+ホラーの相乗効果が狙いかと思った、よくあるパターンだけど。
しかしコンセプトが定まらないままシネマは迷走する、ホラーなのかサイコパスミステリーなのか、はたまたラブロマンスなのか?

奈緒美さん扮するプロファイラーパートはポリスミステリー、染谷将太さんが現れるとコメディに・・・と多種多彩なサービスが盛られている。 そんなカオスのなかでも、中村獅童さんのお涙頂戴エピソードに到達する頃には、本シネマは間違いなくコメディだと確信していた。
シネマはどんな世界をも夢想できるエンターテイメントだとは言え、脳チップという切り札は、あまりにも安直でチープ過ぎた。
つまるところ、物語りのそもそもの基盤が軽いコメディだった・・・と言えばそれまでだけど。
エンディングに用意された時代錯誤長い独白でぼくの笑いは凍り付く。
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