バリー・シール/アメリカをはめた男 (2017)

文字数 487文字

【アメリカにはめられた男・・・じゃないの?】 2017/10/21



日本語タイトル(アメリカをはめた・・・)と、
トム・クルーズの白い歯バッチリの笑顔の番宣で勘違いした(させられた)。
確かにシネマのタッチは軽やかで、能天気な男の欲にまみれた人生を描いているが、その本質は深刻だった。

本シネマは30余年も前のイラン・コントラ事件を引っ張り出してきて、
アメリカの傲慢な体制パクス・アメリカーナをAMERICAN MADE (原題)と揶揄する。
具体的かつシンプルに伝えたかったのは;
レーガン政権下のスキャンダルはホワイトハウスと麻薬取締局(DEA)の策動だったこと、
責任者だったのは当時の副大統領ブッシュだったこと。

その腐りきった構造摘発の狂言回しがトム・クルーズ演じたバリー・シールだった。
一攫千金のアメリカンドリームとはいえ犯罪に手を染めることは躊躇するだろう、誰でも。
しかし、祖国アメリカのため、民主主義を守るため、自由の戦士のため・・・と云う言い訳があればどうなるか?
CIAのいいように使い捨てられるバリー・シール、
トムの笑顔が凍り付いたまま、僕の目に焼き付いて離れなかった。
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