トップガン マーヴェリック (2022)

文字数 971文字

【意義ある待機、3年間】 2022/5/27



エンディングロールにトニー・スコットへの哀悼の辞が写され、僕も黙祷した。
あれから36年が過ぎていた、ジェリー・ブラッカイマーとトム・クルーズの強い想いが続編スクリーンの隅々に感じられた、見終わって暫しの幸福感はあたかも古い友人と再会しお互いの息災を祝ったかのようだった。
年月の経過は前作から引き継いだ俳優たちには惨い結果になる、これも致し方ない。
トムとヴァルはそんな過酷な現実に堂々と立ち向かってくれた、高齢者として、36年間待っていた一人のファンとして感謝するものだ。
シネマ冒頭で、トップガンたちへの惜別の言葉が紹介される、「これからはパイロットは不要になる時代になる」。
現実のドローン軍機を思えば、もうその時代に入っているのかもしれないが、歴史の変わり目に命を懸けるトップガンたちと古強者教官の確執、戸惑い、団結、友情を輝くように描いていく本シネマ、その先にはハッピーエンドしかないという設定に、僕は違和感を挟まない。
トムの出世シネマをトムが幕引きしてなぜいけない?
本作はトムのシネマ、それ以外の評価はしようもない。
僕はトムが大きく腕を振って疾走する姿が好きだ、トムのわかりやすいアクションスターの表現だと受け取っている。
今作でも、思いもかけないシチュエイションでトムが雪の森を駆け抜ける、見ていて安堵した、トムは今でもアクションスターだと。
ところで本作では最初から敵地攻撃ミッションがテーマになっている。
若きトップガンたちが無事に任務を全うして生還できるようにトムが身を挺して教える、その経緯が一つの見どころだ、予定調和とは言えども。
そしてもう一つが、任務実戦シークエンス、「ならず者テロ国家」という範疇の仮想国施設を攻撃破壊する。
1986年から2019年、この間世界は大きく変わり、なんと今年2022年には大規模は侵略戦争を世界は目の当たりにしている。
その侵略戦争は不思議なことに核使用カードで威嚇しながらも、現実は旧弊然とした戦いが今も続いている。
戦闘機が戦いの雌雄を決めると評価される中、トップガンたちはまだ始動していないのだろうか?
コロナパンデミックの影響で3年間公開が遅れた本シネマ、
しかし、そのおかげでトップガンたちの意義が明らかになった、そんな気持ちにもなれた、ありがとうトム。
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