ディストピア パンドラの少女 (2016)

文字数 509文字

【地球を継ぐもの】 2017/7/4



宣伝コピーでは、ディストピアとかパンドラなどの言葉を使用して印象操作をしていたが、本シネマはゾンビ―シネマ。
イギリスはこの種のパンデミックSFが得意、数々の名作を生んでいる。

今シネマでは植物の共生に発する感染症で「ハングラー」と称する一般的に言うところのZたちが発症し、お定まりの通り、噛まれると即座にハングラーになってしまう。

本シネマのポイントでありテーマにもなっているのは、生まれながらにしてゾンビ―でありながら、人間の思考と学習能力を持っている特殊な子供たちだった。
本能として凶暴な食肉欲求を抑制することが困難でありながら、人間との共生を意図する理性も持っている子供たち。

そんな子供たちのリーダーであるメラニーを中心に、ワクチン研究の医師、担当教師、警護の軍人たちのサバイバル物語だった。
軍事基地での教育生活から、援護と食料を求めてロンドンへの旅、ロンドンでの破滅危機・・・そこに救いはなかった。
もっとも破滅SFの定石通り、最後にほんの一筋の希望の灯りがともる。

人類が滅亡するのは植物からの反撃だったという衝撃とともに、アンチベジタリアンの新人類が地球を継ぐことが愉快だった。

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