獣は月夜に夢を見る (2014)

文字数 467文字

【愛は差別を超える】 2016/4/25



自分の姿かたちと違う人間を差別するのは世界共通の反射的感情だろう。
肌や髪や目の色の違い、体格の大小などで簡単に人は人を差別する。

もし、その違いが人ではない何者かだったら? 狼だったら?
物語はあらゆる時代・地域の民間伝承に数多い人狼伝説を扱っている。
そのイントロダクションは、日本語タイトルが見事に果たしている、善し悪しは別として。

デンマークの小さな寒村の住民が密かに共有し隠し続けるある一家の秘密。
サスペンスであれば、その隠蔽された秘密をめぐるエピソードが並べられるところだ。
本シネマでは、しかしながら、その秘密はあっさりと暴かれ、僕も否応なく主人公に取り込まれる。
ストーリー展開からも、また主人公演じるソニア・スールの魅力からも 僕は秘密に喜々と加担する。そして差別する村人を憎み、人生に立ち向かう若い恋人たちを祝福する。

憎しみと恐怖に未来は開けない。
そこに愛があれば、差別は無くなる。


老婆心:
美術担当ご出身の監督と聞いている、北欧の何気ない日常シーンが美しかった。
少しテーマと格差を感じた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み