ハッピーボイス・キラー (2014)

文字数 559文字

【みんなギリギリ崖っぷち】 2015/9/30



主人公シリアルキラー自身の視点から精神の壊れ方が描かれています、映像はしたがってファンタジーかつ慄きに満ちています。
彼の壊れた世界ではいろんな形でおかしな声が届いてきます、犬や猫や死体を媒介としてですけど。
声は語りかけます;
殺しは愉しいだろう、神の言葉はそう考えればおかしいんじゃないか・・・とね。
だから、殺人はハッピーな気持ちで歌を歌うようなお愉しみなんです、彼にとっては。

なるほど、これなら僕にもシリアルキラーの内面が少し覗けたような気になります。
誰かの声それは自分自身の声に他ならないのです。
そんな経験は人間みんな多少は知っているのですが、その声に抵抗することが一般的対応だとシネマでは弁明します。いわゆる悪魔のささやきに耳を傾けてはいけないのですが・・・。

本シネマでは、精神的不適合を治療することの意義を問いかけます。
薬漬けのいつも孤独でつまらない人生か、悪魔の誘惑のとおりに楽しく歌を歌うか、どちらを求めるのか?

主人公と女友達は地獄の果てまで突き進んでしまいます。
そこまでいかなくても、今生きている毎日にちょっとだけ楽しい歌のひと時があってもいいのでは・・・と思わずにはいられません。
人間の本性は、気づかないままに狂気ぎりぎりの境界線の上に立っているのでしょう。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み