ボーン・レガシー (2012) 

文字数 893文字

【これでもうお腹一杯です】 2012/10/7



「ジェイソン・ボーン」シリーズの正当なる後継シネマであることは歴然としている。
鑑賞後の爽快感は、「ボーン当人作」以上だったことも素直に認めたい。

資料によると監督はボーンシリーズ3作の脚本部門を勤めている。
脚本勝ちシネマ大好きの僕には、本作全てにおいて腑に落ちる構成だったし、
かつ大ヒットシリーズ継承作としての品格も維持していた。

主人公暗殺者アーロンには「ザ・タウン」のジェレミー・レナー、
共演は「アイウォントユー」のレイチェル・ワイズ、
新たなカタキ役には「25時」のエドワード・ノートン。
(いずれもかれらの出演作品で個人的に好感度高いもの)
その他のキャスティングは、シリーズと同じであるのは、正当後継シネマの強みだろう。
実際に本作のなかでも,ボーンがCIAとリアルタイムで対決しているのが、
チラリとつげられる
・・・「ボーンが現れました」の報告でパニックになるCIA。
ただしマット・デイモンはスチルで顔見世したり、暗殺者トレーニング宿舎に彫り込んだサインでファンをくすぐってくれるのみであるが。

ストーリーは、ボーンの造反のおかげでCIAが醜態をさらす中、
実はその裏に真の諜報機関がいた、
その長が組織防衛のため関わりのあった諜報員殲滅に手をつける・・・
しかしアーロンひとり逃げる、抵抗する
・・・という凡庸なもの。

ところがこのアーロンは並みの暗殺者ではない。
冒頭から、寒冷地での訓練シーンが、ワシントンのスノッブな指令ルームと交互に映し出される。
殺すもの、殺されるもの、切り捨てられるもの、生き残ろうとするもののギリギリの戦いがハイテンポで展開される。
巻き込まれヒロインとしてレイチェルが次第にサバイバルに目覚める経過も面白い。
アーロンの強さが生化学薬物に依存するものであるとしながらも、
最後には個人力が打ち勝っていく様は、まさにアメリカ的だった。

過去のマット・デイモンもよかったが、 優秀な役者3人もの連合軍には敵うはずも無い。
3人はまさに、その意味でボーン・レガシーだった。

老婆心:
ローバート・ラドラムもここまで進化したシネマにご満足だろう。

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