もっと超越した所へ。 (2022)

文字数 645文字

【舞台も観たくなった】 2022/10/14



舞台のシネマ化だそうだ、舞台を見る機会のない僕には大変ありがたい企画、それだけで胸を膨らませて拝見した。
脚本は舞台と同じ根本宗子さん(原作も)、舞台との比較ができないのでそのシネマ化評価を偉そうに述べるつもりはないが、舞台とシネマのエッセンスが一杯に詰まった楽しい物語が出来上がっていたに違いないと忖度させてもらった。

役者が限定された中で役割ローテーション迄あるのはきっと舞台ならではなのだろう、キャスティングで見せるシネマが多いなか僕には新鮮だった。
シネマはジェンダー問題をテーマ・・・と言っても馬鹿男たちと賢い女たちという他愛のない永遠の愛憎物語に終始する。

身勝手なゲイ男、落ち目のプライド高い男優、カッコだけのヒモ男、身勝手なお調子男、この4人の男に振り回される4人の女がローテーションされ、最後に集合するところはいかにも舞台劇らしかった。
一方で、小過去、大過去、現在の三つの映像カットバックはやはりシネマならではだった。

前述のとおり、各4人の男女俳優が渾身の力を出してくれなければ、舞台もシネマもその魅力が発揮されなかっただろう、
原作・脚本に加えて前田、伊藤、黒川、趣里のエキセントリック女性像の完成度の高さに、対する菊池、オカモト、三浦、千葉のイケメンたちがタジタジだったのは物語の中だけとは思えなかったのは男4人には申し訳なかった。

上質の舞台劇のシネマ化に接するたびに、原舞台(?)も観てみたいと思うのだけど、今回もそんな快作だった。
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