ファースト・ラブ (1977)

文字数 680文字

【永遠の女性, 次点でした】 1979/4/6


「おもいでの夏(1971)」のジェニファー・オニール(ドロシー)、「冒険者たち(1967)」のジョアンナ・シムカス(レティシア)はシネマにおける我が永遠の女性の地位をすでに確立しているが、次点はさて誰あろうか?
と勝手な妄想を膨らませていた折に出逢ったのが本シネマのヒロイン キャロライン、演じていたのはス-ザン・デイだった。

ファースト・ラブ(初恋)と言っても文学的情緒などお構いなし、文字通り一番最初の恋愛を少年(男)の立場からジェンダー無視で堂々と描き切っている。
日本よりLOVE&SEX面では何十年も先を言っているアメリカのどの層をターゲットにしているのか? 意外とアメリカは保守層が強いしな…などと思いながら拝見した。

荒筋は陳腐である、今の日本においてさえも。
生真面目な少年が魅力的な女性に恋をするが、彼女はさえない中年男との不倫に悩んでいる。
大いに傷つきそれでも未練いっぱいの少年だったのに、彼女が不倫に破綻して少年の元に戻ってくると、途端に冷静になる。
今までは一時の迷いだった、若さゆえの失敗、本当の愛は別にあるなどと悟る、あまつさえ人生は適応の繰り返しだ…と宣う。

可愛そうなのはキャロラインだ。
中年と少年の二匹の男にいい様に利用されるだけだった。
家庭が大事だと言い訳する中年男のような男に少年はきっとなるに違いない。
FIRST LOVE とはMANY LOVESの第1回目という辛辣な結論になるなか、
せめて僕はシネマにおける永遠の女性像(次点だけど)をキャロラインに捧げよう。

(記:1979年4月6日)
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