パワー・ゲーム (2013)

文字数 687文字

【やはり宇宙に置け、ハリソン・フォード】 2014/11/22



「老練」な俳優の対決と、話題のフレッシュな「若手」俳優という組み合わせが「売り」だったのだろうと忖度する。
残念なことに、「老醜」と「未熟」という結果になってしまった。

物語の舞台はIT最先端企業(モバイル機器)にまつわる起業家の確執と産業スパイ事件なのだが、いかにも底の浅い構成が、観ていても恥ずかしい。
現実ビジネスがフィクションより数倍厳しいことを改めて実感するくらいの乖離があった。
そんな筋書きの中でスキンヘッド(?)になったハリソン・フォードと、いつも怪しいゲーリー・オールドマンが違法競争を仕掛け合う。
よくよく思い出せば、お二人とも異色がモットーの俳優さん、エキセントリックなCEOを演じるほどに異臭が漂ってきた、いや老臭だったのかも知れない。
一方、
若い成り上がりを演じるリアム・ヘムズワース、一見トラボルタの再現(ナイト・フィーヴァー)かという思いがよぎった。
僕の偏見だろうが、しかし、彼の立ち振る舞いがまるで洗練されていない。
下町出身者が一流企業に戦いを仕掛けるとはいえ、そこには身体から発する「気品」が感じられないことには、本シネマの胆が浮かび上がってこない。
この成り上がり男にいいように蹂躙される才媛を演じるアンバー・ハード、魅力的なのだが華が引き出されないままでお気の毒だった。
老醜のオマケというわけでもないのだろうが、
若者の父親役のリチャード・ドレイファスに僕は最後まで気づかなかった。
息子に与えるアドバイスが・・・「FBIに相談すれば?」とは恐れ入った。

やはり宇宙に置け、ハリソン・フォード。
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