ブラックサイト (2008)

文字数 728文字

【ビバ! ハードボイルドヒロイン】 2008/9/28



待望久しいハードボイルドヒロイン誕生に、なぜか安堵することしきりだった。
《グロリア》のジーナ・ローランズを超えそうでやっぱり超えきれなかった歴代の
ハードボイルドヒロイン候補たち。
デミ・ムーア、ジョディ・フォスター、アンジェリーナ・ジョリーの面々は
個性あるタフレディだが、ハードボイルドという視点では惜しいかな合格しない。
(あくまでも僕個人の見解だが)。

なんといわれようと、
ヒロイン、ダイアン・レインを味わうシネマだった。
僕のハードボイルドヒロイン像は、
美しいことは単に美貌に限らず、その生き方にも及び、
キャリアウ-マンなどの無意味な記号に毒されず仕事を尊び、
仲間を尊敬し友情を築き発展さえ、
家族を愛し守りきる、
そして大事なお約束として、
シネマの世界に限定された非日常世界で遭遇するトラブルに自力で打ち克つ。

まさにヒーローとて困難なこの過酷な条件をクリアーしなければヒロインの資格は無い。

シネマのストーリーはネットを利用したサイコ犯罪。
息つく暇なく畳み掛けるネット殺人展開は、主人公FBI捜査官を公私に巻き込み、
一気にクライマックスにまで突き進む、このスピード感覚は特筆ものだ。

詳しく説明する気はないが、かなりハードな処刑アイデアに眉ひそめる向きもあろう。
ただし、その原点はネット上で本能をさらけ出す人間の無責任さ、脆弱さにある。
実は僕らが毎日恩恵をこうむっているかに見えるネット世界には、
想像以上の邪悪な深淵がある。
なんてことは、いまさら・・・なことなんだけど、
ここらで一回じっくりとネット倫理を考え直すチャンスになるかもしれない。

本シネマの惨劇は、いつ現実に起きても不思議ではないからだ、この日本でも

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