ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 (2017) 

文字数 548文字

【知恵】 2018/3/31



チャーチルがもし蘇って主演したとしてもこれほどの感動になっただろうか?
世間の嫌われ者チャーチルが戦時内閣を押し付けられ
大英帝国の筋を通した歴史は知ってはいたが、
これほどチャーチルの人格内側にまで入り込んだ映像を僕は知らない。

そう、特殊メイキャップのことも触れなければいけない、
似ていたのだろう、本人に会ったことはないので自信はないが。
そして、ゲイリー・オールドマンの鬼気迫る役作りに感心しつつも頭が下がった。
役者は、なんと言われようと「顔が命」だと思っている、その良し悪しも含めて。
今シネマでは、オールドマンはその顔を消し去り、
残り少ない顔のパーツでチャーチルを演じる。
もちろん体全体、その仕草も使える。
一歩間違えてCGのチャーチルになってしまわなかったのは、
オールドマンの内面の演技だった。

内面の演技・・・・と軽々しく云っていい場合とそうでないときがあるが、
今作は「いい場合」だった。

物語はまるで舞台劇のように、チャーチルと政敵チェンバレン、ハリフォックスとの攻防、
ジョージ6世との奇妙な友情、妻との揺るぎない信頼。
スペクタクルもロケーションもVFXも、大層な資金もいらないシネマ。
チャーチルが唯一自慢していた「知恵」さえあれば
良いシネマはできることを示してくれた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み